ライブっていいもんだな(SideM・にじさんじ・プロセカ)

まだ鮮明なうちに書かなきゃの気持ちでとりあえず感動を覚えたところをできる限り書いてみた。

ちなみにライブ中身についての言及ではなくコンテンツの魅せ方についての感想なので、ネタバレになることは恐らくないが、メタ発言する可能性あるため、もし気になる方がいたらブラバして構わない。

 

2022年10月に観た幾つのライブ、それぞれ違くて、それぞれの良さをこの身で(モニター越しに)実感した。

まずはそれぞれのライブ性質を説明し、そこから深掘りしてその良さを語ってきたいと思う。

 

THE IDOLM@STER SideM 7th STAGE ~GROW & GLOW~ STARLIGHT SIGN@L

『THE IDOLM@STER SideM 7th STAGE ~GROW & GLOW~ STARLIGHT SIGN@L』出演者感想まとめ -  Togetter

男性アイドルキャラクターを演じる声優さんがステージ上に生でキャラクターソングを歌って踊るライブ。

キャラクターソングライブの始祖とも言えるアイドルマスターシリーズのブランドのひとつであるSideM、声優さんがステージ上で生歌唱とダンスを披露するのが既に8年目。

ライブ中にキャラソンを歌とダンスをするが、自己紹介でのセリフ読みとキャラ声で歌を唄う以外、声優さん本人がパフォーマンスするため(例として30代の声優さんが小学生キャラの声を担当しても見た目に凄くギャップがある)、本来キャラとして認知することは無いはずだが……

衣装やメイク・髪型髪色を作中のキャラに寄せてるのが理由か、ダンスの振り付けをより演じてるキャラに似せようとした結果か、自分と同じ生身の人間だと理解しているのに、「キャラがステージ上に歌とダンスをしている」ように見えちゃう。

それこそ「声優によるキャラクターソングライブ」の醍醐味かもしれない。

 

あと「これぞ生ライブだ!」と思われるものが、やはりステージを存分に利用する演出とパフォーマンスだ。

3DCGライブとの違いは無論肉眼で見れる生身の人間によるパフォーマンスだが、トロッコやセンターステージなどもリアルライブでこそできる演出かもしれない。

3DCGライブの仕組みから、必ずスクリーンを利用してCGを映し出さなければいけないところで、会場中全体移動するトロッコと360度観客に見られるセンターステージは現時点どうしても実現不可能で、それを最大限に活かして現地の観客を楽しませるこそがリアルライブの良さである。

 

特に今回のセンターステージはこれまでのと違く、逆さまの「Y」(あるいは「人」の形)となっていて、両方の分かれ道はより客席に近づく以外、トロッコから降りる場所にもなっている。

また真ん中と周りの円形ステージは二段ケーキのような設計で、真ん中のステージが昇ったときユニットのセンターとソロパフォーマンスする演者を目立たせる最適とでも言える演出。しかも回転可能なため周りの観客全員楽しませるし、センターステージを活かす特殊ダンスフォーメーションもまたカメラ映えで目新しい光景になっている。

 

今までのライブも色んな演出で観客を楽しませたが、今回はまさかの新要素を取り入れることで更に今後ライブ演出の可能性を見せてきた。

前回の記事にも少し触れていたが、声優によるキャラライブの一番の問題点は「声優」に制限されている部分だ。キャラを演じる声優がスケジュール合わない理由、またはほかの事情でライブに出演できない場合が多く、結果これまで特定のキャラがずっとライブ出演できないことになる。

しかし今回はライブ出演できない声優さんに事前セリフ収録して、ステージ上に3Dモデルのキャラがダンスしている動画を、他の出演者が歌って踊ってる同時に流していた。

 

生身の人間と二次元のキャラクターが一緒にステージ上に歌って踊ることは滅多にないので(生身の声優と二次元のキャラが同じステージ上にいることは世界観を破壊することになる)、こういうことができるのは最新技術を利用するコンテンツか、あるいは何年もの声優によるキャラライブを経験してきたアイマスだからこそ受け入れられているのでは無いかと勝手に思ってる。

こんな新鮮な体験をさせてくれたアイマスとSideMに感謝。

 

にじさんじ 4th Anniversary LIVE「FANTASIA」

二次元キャラの見た目を使用して活動する者(通称VTuber)が3Dモデルを用いてステージ上に歌って踊るように見えるリアルタイムARライブ。

 

ここでVTuber文化にあまり認識のない人にも「VTuber好き」について分かりやすく説明してみたいと思う。

上述通り、VTuberは二次元キャラ外見を使用する活動者で、彼らが使用している二次元キャラ外見はアニメ・漫画・ゲーム作品に出ているキャラクターの見た目と全く違いがない。

主にLive2D技術を用いてYouTubeなどのプラットフォームで配信活動をしており、ある程度体を動いたり表情を見せたりすることも可能。中の人がリアルタイムでその外見を動いて配信するため、視聴者はチャット経由で彼らと交流できる。

キャラを演じる声優と似たような感じではあるが、様々な声で色んなキャラを演じる声優と違って、その1個のキャラ外見だけ演じて活動しているので、世間は一般的にそのキャラ外見 = 演じてる活動者本人という認識。

 

また、多くのVTuberは外見が特徴的であるために「キャラ設定」を持ち合わせることが多い中、独特なキャラクター性を活かす活動内容する一方、限りある設定だけで活動を行うことは不可能に近いので、活動者本人が実際日常にあったお話をしたり、普段のリアルな出来事を話題に持ち出したりする辺りから、「この人(キャラ)は実在・身近な存在である」と認識する視聴者も多い。

そんな「自分と直接交流できる身近な”キャラ”」、二次元コンテンツ好きの人には非常に受けがいい。

 

今回は多くのVTuberが所属している「にじさんじ」という事務所が開催するARライブに感じたことを語ってみたいと思う。

ARとはなんぞや?簡単に言うとポケモンGOみたく、現実環境にCGを映し出す技術だ。ARライブはつまり同じような技術を利用して、VTuberたちの3D姿をリアルタイムでステージ上に映し出すことでライブパフォーマンスをすることだ。

 

先程言及したLive2Dモデリングはある程度の範囲でしか動かせないが、3Dモデルだと一気に動く範囲が広くなっていく。歌って踊るところも可視化になる。

普通の二次元コンテンツ3DCGライブと何が違うと言うと、技術面の違いはもちろん、一番重要なところは活動者本人がモーションアクターとして3Dモデルを動いてるため、普段2Dの姿では見れないところも見れるわけで(例えば全身の動き、立ち姿、手癖足癖)。更に言うと中の人によるダンスと生歌唱、動きの一つひとつはよりその人への解像度が上がる。

 

中の人の容姿が分からなければ、別にライブのダンスはプロの人に任せて、歌唱も事前録音済み音源使用すればいいのでは?もちろんそれも可能だが、そうするとVTuberリアルさが失ってしまう。

先程書いたように、中の人が自らモーションアクターとして動くことで解像度が上がるわけで、その拙い歌とダンス(プロ並みのパフォーマンスする人もいらっしゃる)すらそのVTuberを構成する要素のひとつで、一生懸命パフォーマンスしようとする姿こそがファンの心を掴む要因と言ってもいいだろう。

 

今回のライブは特別衣装まで用意されていて、髪型が違ったり身につける装飾が増えたりする人もいる。普通の人間であれば衣装や髪型変えることは簡単なことだが、3Dモデルの大幅変更(一番面積占めている衣装)は恐らくかなり時間と金かかる工程なのではないかと。

後にいくら修正してもいいゲーム用3Dモデルと違って、VTuberの3Dモデルは中の人の動作に合わせてリアルタイム再現するもので、しかもダンスのような激しい動きによる髪と衣装装飾の揺れがモデルの破綻になりやすく、トラッキングをこまめに調整を入れないと大惨事(髪が服を貫通したり、手足が変な方向に向いたり、顔が止まったり目が開けなかったりする)になりかねる。

ライブパフォーマンスはもちろんだが、それよりも高度な技術力を観させてもらってるに近いかもしれない。それが今後更に進化すると考えたら、楽しみで仕方ない。

 

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声優さんとプロのモーションアクターさんが事前に収録した音声とモーションを、3Dモデルのキャラクターに反映する3DCGライブ。

 

実はこういった3DCGライブを観るのが初めてではないが(バーチャルシンガーによる3DCGライブはちょっと観たことある)、これまでは「そんな普通ゲーム内の3DMVやバーチャルライブでも観れるのでは?」と思っていたが、観終わってから、これはお金を払って観る価値があると納得した。

 

一番の見どころはやはりゲーム内の曲をフル尺でパフォーマンスすることだ。

プロのモーションアクターによるパフォーマンスはただのダンスだけでなく、それぞれ担当するキャラの性格によって立ち姿や踊るとき動く幅も違ってくる。いつもゲーム内のLive2Dとはまた違うベクトルでキャラへの解像度が上がるもの。

また、これまでゲーム内の曲をフル尺で踊ってくれることで、より曲への印象が深まる。本来3DMVのない曲がライブ中に披露されたときの盛り上がりは想像つくが、たとえゲーム内3DMVが実装された曲も、MV内のエフェクトや演出とカメラアングルがない代わりに、フル尺をパフォーマンスすることでよりキャラの動きに集中できて、ダンスの振り付けとフォーメーションの変化、本来のMVと違う部分がよりはっきり見えてくる。

 

全編事前収録のため、観客とのやり取りは出来ないが、代わりに完璧な進行とハイクオリティーのパフォーマンスをみっちり詰め込んだライブが観れるわけで、キャラクターを楽しみたい観客は120%コンテンツの世界観に溶け込んでいけるのでははいかと思う。

この方法が特にプロセカというコンテンツに相性がいい理由は、「バーチャルシンガー(ボーカロイド)」がいるからだ。

初音ミクというバーチャルの存在をリアルに体現するにあたって、もちろん方法はいくつもあるが、一番プロセカ内の3Dモデルと馴染むかつ現実に表現する方法はこれだなと言うほど素晴らしい出来だった。

 

 

内容についてはあまり語ってないと思うが、ちゃんとした感想(感じて想ったこと)はできてると思う。

実に言うと自分はライブ参加すること自体まだ苦手意識があって。もちろんコロナ前には何回かライビュ参加したことあるし、現地のライブも1回のみ参戦したことある。そこでしか味わえない臨場感や雰囲気は確かにあったし、参加したことに後悔を感じたこともない。

だが苦手なものはやはり苦手で、コロナの"おかげで"、現地とライビュも無くなったことにライブ配信という媒体が増えてから、1人でお家にライブを楽しめたことが、どれだけ幸せなものか。

そこは個人的な好みなので、現地やライビュで楽しむ人も絶対いるはずだ。けどコロナが原因で様々なエンタメを提供する運営側にも色々考えさせて、今の環境を作り上げたから、そこは不幸中の幸いとでも言えるだろう。

もし今後も配信形式でライブを提供してくれ続けるのであれば、たぶん一生この方法でライブを楽しめるかもしれないね。